高齢者向け施設で呼び出しがある理由はなぜ?トラブルを予防する方法を紹介します
高齢者向け施設の数は増加し続けています。それに伴い、入居者数も増加しており高齢化社会を老人ホームなどが支えているといっても過言ではありません。施設数が増えていると同時に施設と入居者・そのご家族の間でのトラブルも増加しています。今回はそんな老人ホームなどの施設とトラブルを起こさないためのコツやどんな時に施設から呼び出しされるのか紹介していきます。
- 高齢者向け施設の推移
高齢者向け施設数は増加の一途を辿っています。今回は老人ホームという言葉を多用しますが、高齢者向け施設は大きく何種類にも分けることができます。まずはどのような施設がどのような場所なのか紹介していきます。
▲介護付有料老人ホーム
有料老人ホームと総称で呼ばれるところです。基本的に自費で入居するため毎月20万円前後の入居費用がかかります。施設内には介護専門のスタッフが24時間体制で常駐しているため自立して生活できなくなった高齢者の方でも安心して生活ができます。しかし、長期的に医療行為が必要な方や他の入居者とトラブルを起こしてしまう方は退去処分になることがあります。
▲住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、自立して生活できる高齢者の方がメインとなります。入居者の身体状況に応じて介護サービスが利用できるため介護付有料老人ホームと比較して安価で入居できます。
▲特別養護老人ホーム
略称で特養と呼ばれる施設です。要介護3以上かつ65歳以上の高齢者のみ入居できる施設で入居するための条件がありますが、その分毎月かかる費用は6万円〜と安価に抑えられています。入居費用が介護保険で賄えるため、費用を抑えることができ人気が高いのが特徴です。人気の高さから入居まで数年待ちとなっていることがほとんどです。有料老人ホームと異なり個室ではなく4人〜6人の大部屋を割り当てられることもあります。
▲介護老人保健施設
略称で老健と呼ばれる施設です。リハビリをメインに行う福祉施設です。要介護1以上で日常生活に支障がある方が入居の対象となります。原則3ヶ月の短期入居で、3ヶ月ごとに退所判定を行います。
▲サービス付き高齢者向け住宅
サ高住と呼ばれる施設です。元気な高齢者から要支援認定までの方が入居できます。健康保険や介護保険は基本的に使われないため月額料金が20万円前後と高額になります。
- 老人ホームからの呼び出し
老人ホームへ入居している家族のことで電話がくることがあります。まずはなぜ呼び出しがあるのか実際に施設が家族へ連絡をせざるを得ない事情から見ていきましょう。
▲入居している家族が不満に感じている
今までプライベート空間のある自宅で生活していた人が集団生活に近くなるとストレスに感じることがあります。隣の部屋から聞こえる生活音などに不快感を感じるだけでなく、食事の味付けなどにも不満を抱くことがあります。このように日常生活で細かなことが気になり始めてしまうと不安神経症などの精神症状がでてしまい、そのまま住み続けることが困難になってしまうケースがあります。
▲認知症で物盗まれ妄想がある
認知症の患者さん専用の施設などでよく起きるケースです。施設のスタッフに物を盗まれたという被害妄想を引き起こします。認知症の患者さん専用の施設であれば、このようなトラブルに対応するマニュアルが用意されていますが入居している方が「家族を呼べ」と強く要求すると施設側としても連絡せざるを得ません。症状の進行とともに家族へ連絡がいく回数も多くなり、連絡を受けるご家族の負担が多くなってしまいます。
▲怪我や急変時
入居しているご家族が不慮の事故で怪我してしまった場合や、体調の急変時に家族の承諾を得てから治療方針を決める場合に連絡がきます。これは一般常識的な範囲での連絡で家族の方も迷惑だと感じることはないのではないでしょうか。
▲退去寸前の出来事
施設に対して不満を感じている場合、施設の備品に当たることやスタッフへ当たることがあります。常習的にこのような行為をしていると施設を退去させられることもあるため、保証人となっている身内の方を呼び事情を説明することがあります。
このように施設側からの呼び出しには様々な事情があります。しかし、毎日電話がかかってくる場合や週2〜3回も電話があり施設を訪れるようでは預けている意味がないですよね。そこで施設と入居されるご家族と揉めないためにも以下のことを確認しておきましょう。
▲施設側へ呼び出しの基準を確認
施設側はどのような事例があれば家族を呼び出すのか確認しておきましょう。一般的な緊急事態はもちろんですが、入居している家族が希望すれば毎回電話をするのかなども確認しておくと良いです。さらに、電話をしてもらう場合は緊急事態を除いて何時から何時の間にどの番号へかけて欲しいかなど希望を出すことで施設側と円滑に連絡が取れるのではないでしょうか。
▲入居する家族へ希望を聞いておく
最近の老人ホームや特養など高齢者向け施設は、入居される方の生活の質(QOL)を向上することが目的となっています。食事の内容や施設のレクレーションなど事前に確認できることは確認し、できれば入居される方には見学などへ行ってもらうと良いでしょう。入居する前と後で思っていた感じと異なると、施設から家へ帰りたいと不満を抱える原因になります。
他にも施設へ入居される方が何を求めているのかによって施設の種類を変えた方が良いです。医療を主に考えているのであれば療養型老人ホームが良いですし、介護が必要なく自立した生活を希望する場合は有料老人ホームで個室のある施設が良いです。
- 老人ホームへ足が遠のく人が増えている
老人ホームをはじめとする高齢者向け施設へ家族を預けている人の多くは、自分で介護できない・最期まで面倒をみる自信がないという方です。施設側から緊急事態などトラブルが発生したときに電話をしても口頭で「わかりました」と告げるだけで施設を訪れる人の数はそこまで多くありません。これは入居年数が長ければ長いほど低くなる傾向があります。そこでなぜ施設へ足が遠のいてしまうのか実態を見ていきましょう。
▲物理的な距離が遠い
例えば、両親は実家の田舎で暮らしており子供家族は離れた場所で暮らしていると言う事例では、物理的な距離が問題になります。茨城県と東京都内で考えてみましょう。県内でも都内よりの取手市が実家だとしても車でも電車でも1時間〜1時間半程度かかります。危篤状態ならまだしも、毎週この距離を移動するとなると少し大変ではないでしょうか。取手市ではなく水戸市の方へ行けばさらに距離は長くなり時間もかかります。入居している家族と距離がある場合は自然と施設へ顔を出す機会も少なくなってしまいますね。
▲面倒を見るのが大変
施設へ預ける理由の多くは「自分で面倒を見切れないから」です。それなのに施設へ面会に行くと背中を掻いてくれ・〇〇を買ってきてくれ・服の洗濯をしてくれなど面倒を見なければいけなくなります。施設へ預けているのだから面倒を見たくないと思ってしまう家族の方は多く、結果的に施設へ足がむかなくなってしまうのです。
▲老いていく親を見るのが嫌だ
人間は誰しも老いていきます。そして最期を迎えるのです。この老い〜最期までの過程を見たくないと感じる方は少なからずいるようです。老いることで今までできていたことができなくなります。この姿を見るのも嫌だと感じる人がいます。
そのように感じるのはわかりますが自分が逆の立場だったらどうでしょう。家族が顔を見せられる距離にいるにも関わらず来てくれない方が寂しくなってしまいますよね。
▲義務感などを感じることがある
入居している家族に会うことが義務感のように感じてしまい会うのが苦しくなってしまう方がいます。寝たきりの家族や認知症の家族を見るとそのように感じてしまう方がいますが、心の中では介護を人任せにして自分が楽をしていると言う背徳感があるようです。入居している家族が理解を示している・自宅では介護できない事情がある場合などは背徳感を感じずに施設を信頼するのも一つの手です。
- 施設を信じて家族を安心させる
施設へ入居している家族を安心させるためにも、施設側と出来るだけ話し合い、信じることが重要です。また、施設側から呼び出しがあった際は出来るだけ施設へ出向くようにしましょう。もし、時間がない場合はその旨を伝えて後日しっかりと対応することが大切です。
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