ヒートショック対策にリフォームが最適!ヒートショックの原因も解説します

日本人の死因は悪性腫瘍(がん)、心疾患、脳血管疾患の順となっています。これらは通年を通しての結果ですが、1年の中には季節性に死亡率が上下するものもあるのです。冬に起きやすい、ヒートショック。この言葉の意味について深く知っている方は少ないと思います。今回はヒートショックについて皆さんにご紹介していきたいと思います。

  • ヒートショックは冬場に起きる

ヒートショックとは気温の変化により、血圧が変動することで心臓や血管の疾患が悪化することを意味します。主に入浴前後で起きやすく、ヒートショックを起こしたのちにそのままお風呂で溺死してしまう人もいるのです。厚生労働省の人口動態調査を見ると2018年に家庭内の浴槽で溺死した人は5398人。2004年には2870人だった数字が倍近くまで増加しているのです。

ヒートショックが起きやすいのは11月〜2月までで酢。リビングや寝室では暖房器具を使用し室温が高い状態ですが、浴室や脱衣所は換気の関係で窓を開けていることが多く外気温近くまで冷え切っている可能性があります。また、昔の日本家屋では浴槽を住宅の北側に設置することが多く、冬になるとより一層冷えていました。他にも床の素材でタイルを汎用していたなど様々な理由からヒートショックが起きやすい環境が整っているのです。

▲ヒートショックのメカニズム

人間の身体の中には血液が流れています。血液が流れる管を文字通り、血管と呼び、血管は伸縮することで血液を身体の隅々に送り出しているのです。この伸縮の幅を表しているのが血圧です。血圧が高い人というのは、血管が硬くなっており血管の自由度が少ないといえます。逆に血圧が正常値の人は血管に弾性があり、柔らかいホースと同じような状態といえます。

血圧は上と下という言い方をしますが、正式名称は収縮期血圧(上)と拡張期血圧(下)です。収縮期血圧は血管が収縮したときの血圧で、血液を全身へ送り出したときの状態です。拡張期血圧は血管が伸びきった状態で、血液を送り出したあとの状態を指します。これら収縮期血圧と拡張期血圧の数字の組み合わせで血圧の正常・異常が決まってくるのです。

血圧の話は一旦、置いておきます。では、ヒートショックはどのようなメカニズムで起きるのでしょうか。まず、暖かい室内にいるときに血圧が安定しているとします。この後、お風呂に入ろうと脱衣所へ移動。脱衣所で服を脱ぎ、裸になると寒さを感じます。人間は寒さや暑さなどを感じると体温を一定に保つ恒常性という機能を発揮します。寒さを感じたら、体温が下がらないようにするために血管を収縮させます。結果、血圧が上昇していきます。寒い脱衣所から浴室へ移動すると寒さはより一層強くなります。ここでも同様に体温を下げないために血管を収縮させ、血圧を上昇させるのです。そしてシャワーやお湯に浸かると寒いところから急に暖かいところへ連れて行かれた状態と一緒になります。体温が急激に上がっても人間の細胞は死んでしまうため、恒常性が働き体温を下げようと血管を拡張させます。血管を拡張させると血圧は急激に下がるため、ジェットコースターのような血圧の上下変動が起き、これがヒートショックとなるのです。

▲血圧の正常値

血圧の正常値は前述の収縮期血圧と拡張期血圧によって判断されます。また、血圧は測定する場所によって名称が異なるので注意しましょう。自宅で測定する血圧は「家庭血圧」と呼ばれています。一方、診療室や医師・看護師など医療従事者の前で測定する血圧を診療室血圧と呼びます。医師や看護師などの前で血圧測定すると緊張してしまい高血圧となる人がいるため家庭にて測定する家庭血圧も重要視しています。ちなみに医療従事者の前で高血圧となることを「白衣性高血圧」と呼んでいます。

診療室血圧では収縮期血圧が140以上or拡張期血圧90以上で高血圧と判断されます。家庭血圧の場合、この数値から-5をしたものが高血圧のボーダーとなるのです。

  • 高血圧は万病の元

高血圧は万病の元といっても過言ではありません。実際に高血圧を放置してしまうとどのようなことを招くのか紹介したいと思います。

▲脳血管疾患

血圧が高い状態が続くとどのようなことが起きるでしょうか。血管内を流れている血液の圧が強いと言い換えることができます。ホースの口を塞いで水の勢いを強くした状態で、畑に水を当て続けるとどうなるでしょう。土がえぐれてしまいますよね。血圧が高いと血管へ継続的にダメージを蓄積することとなり、最終的に血管が切れることがあります。

▲心臓病

血管に負担をかけるため、身体へ血液を送り出すポンプ役となっている心臓へも負担をかけます。心臓は負担を軽減しようと大きくなり、心肥大を招くのです。他にも狭心症や心筋梗塞のリスクも高くなります。

▲腎臓病

高血圧が続くと腎臓へ負担をかけることになり、腎臓の働きが悪くなります。腎臓では血液中の塩分や毒素の排泄に関係しており、慢性腎臓病を起こすと透析治療が必要になります。

  • ヒートショックが起きやすい人

ヒートショックは誰でも起きるリスクがあります。中でもハイリスクの人は特に注意しましょう。ハイリスクの人は次の人たちです。

・65歳以上の高齢者

・高血圧の既往がある

・糖尿病の既往がある

・不整脈を指摘されたことがある

・浴室に暖房器具がない

・熱いお風呂が好き

・飲酒後にお風呂へ入ることがある

・30分以上お風呂に浸かっている

 

また、ご自身ではなく血縁者(配偶者ではなく親や叔父叔母・息子など)が高血圧や糖尿病・脳血管疾患の既往がある方も同様に注意が必要です。

  • ヒートショック対策にはこれしよう

ヒートショックは冬場に起きる事故のようなものです。水遊びで溺死を防ぐためには、泳げない人は池や川・海で足の届かないところで遊ばないようにすれば良いです。それと同じでヒートショックにも対策が存在するのです。

▲お風呂の設定温度

お風呂の設定温度は何度にしていますか?冬場は外気温が寒いため、出来るだけ高めの温度にして浸かるという人もいます。しかし、42度以上のお湯は心臓へ負担をかけるといいます。出来るだけ41度以下に設定してからお風呂へ入るようにしましょう。また、プールへ入るときと一緒で、心臓から離れた手や足から順にお湯をかけていき温度に慣れさせてから入浴しましょう。

▲お風呂へ出入りするスピード

お風呂へ一気に入ってしまうと心臓へ負担をかけることになります。同様にお風呂から出るときも一気に出ると血圧の変動でめまいや立ちくらみを起こすことがあります。特に高血圧の治療として高圧剤を服用している人は顕著に見られることがあるため要注意です。

▲浴室や脱衣所の工夫

ヒートショックの原因は寒暖差でした。つまり寒暖差を少なくすればヒートショックを予防できるのです。では、脱衣所や浴室でどのように寒暖差対策をすれば良いのでしょうか。一番有効なのは暖房器具の設置です。新しい浴室では天井に24時間乾燥できる換気扇がついているだけでなく、浴室内を乾燥させたり暖房を効かせたりできるものがあります。これらを使用して浴室内や脱衣所を暖めておくと寒暖差の軽減につながります。また、シャワーを使ってお湯を溜めると浴室の温度を上げながらお湯を溜められるためヒートショック対策に有効だというデータもあります。

浴室や脱衣所に特化したヒートショック対策で一番有効的なのはリフォームです。冒頭でも紹介しましたが昔建てられた家の多くは北側に浴室が設置されており、浴室内に暖房器具がありません。また、タイルを使用している浴室は使用していない浴室よりも大幅に冷え込むためヒートショックのリスクが高くなるのです。床材の材質や暖房器具の導入なども含めて冬場のヒートショック対策をしてリフォームを検討してみてはいかがですか?

  • ヒートショックは身近なもの

ヒートショックは身近なものとして冬場になったら頭に置いておきましょう。

近年は、入院しながら治療することが難しくなってきています。
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