セルフメディケーションとは?長生きするには健康管理が大切

皆さんは健康維持について考えたことはありますか?「最近運動不足が気になっている」「健康に気をつけたいけどどうしたらいいかわからない」という方は多いのではないでしょうか。

最近日本では「セルフメディケーション」が掲げられており、自身の健康維持を保つ取り組みが求められています。

今回はセルフメディケーションのメリットや取り組み方について紹介します。

セルフメディケーションとは

日本の平均寿命は年々長くなっており、生活習慣病の増加などが大きな問題になっています。いかに健康に生きるか、健康を維持できるかが重要になっている現代で注目されているのが「セルフメディケーション」です。

セルフメディケーションとは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と世界保健機関(WHO)は定義しています。

セルフメディケーションに取り組むことで、健康管理や病気の予防に繋がると考えられています。

日本では国民皆保険制度が定められており、誰でも病院にかかりやすい体制が整えられています。そのため「病気になったら病院にかかる」という風習が強く根付いています。

近年高齢化が進み、日本の社会保障費の負担が大きくなっているため、費用の負担減を図るために取られた政策でもあります。

セルフメディケーション税制とは

国民のセルフメディケーションを推進するために、セルフメディケーション税制が創設されました。

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)とは、OTC医薬品(一般の方が医師の処方箋なしに、ドラッグストアなどで購入できる医薬品)の購入費用が高額になったとき、一定の条件を満たせば医療費控除の特例として所得控除を受けることができる制度です。OTC医薬品とは、風邪薬や胃腸薬・湿布などが対象になりますが、全ての医薬品が対象になるわけではありません。対象医薬品のパッケージに、識別マークが掲載されているため、そちらで確認しましょう。

また2017年1月から5年間の特例として始まりましたが、2022年1月より5年間延長されることになっています。

セルフメディケーション税制は、「健康の保持増進及び疾病の予防に関する一定の取組」を行っている居住者が対象となります。一定の取組とは、次の取組をいいます。

①保険者(健康保険組合等)が実施する健康診査(人間ドック・健診など

②市区町村が健康増進事業として行う健康診査

③予防接種(定期接種・インフルエンザワクチンの予防接種)

④勤務先で実施する定期健康診断(事業主検診)

⑤特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導

⑥市区町村が健康増進事業として実施するがん検診

セルフメディケーション税制は、確定申告が必要です。給与の年末調整では行えないため、注意が必要です。申請方法は、国税庁のホームページなどを確認しましょう。

セルフメディケーションのメリット

①健康管理の習慣が身につく

「今まで健康には無縁だった」という方も、運動や食事など健康維持を意識して生活することで、健康管理の習慣が身に付きます。自分の体に興味を持つことは大切です。ただ健康を意識しすぎて生活を制限しすぎると体調を崩す場合もあるため、自分のペースで行いましょう。

②医療や薬の知識が身につく

セルフメディケーションを意識することで、病気や薬について調べる機会が増え、知識が身につくかもしれません。

ただし、全てを自己判断するのは危険なので、判断に迷う際は迷わず病院へ受診しましょう。

③医療機関を受診する手間と時間が省かれる

病院へ受診すると待ち時間が長く、帰宅した時にはヘトヘトになっていたということはありませんか?OTC医薬品を使用すると、ドラッグストアなどですぐに購入できるため、受診の手間や時間を省くことができます。   

またコロナ禍で人混みを避けることもでき、感染対策にもなるかもしれません。

セルフメディケーションへの取り組み方

①適度な運動

適度な運動は健康を維持する上では欠かせません。何事も運動不足は大敵です。

・ストレッチや体操を1日10分程度

・散歩やウォーキングを1日20分程度

・下肢や体幹のトレーニングを週2回程度

上記いずれかを行うことが望ましいとされています。

運動不足を解消することは、生活習慣病の予防だけでなく、筋力を維持して怪我の防止にも繋がります。

最近フレイル対策として、運動の必要性がより求められているため、健康維持する上で運動は欠かせないものになっています。

②バランスの取れた食事

健康な生活には、食事が大きく関わります。栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

栄養バランスが崩れてしまうと、栄養不足や栄養過多を起こし、生活習慣病にも繋がる可能性があります。

ご自身で食事を準備するのが難しい場合、配食サービスを利用するのもひとつです。

配食サービスは週1回〜毎日(事業所による)から頼むことができ、安否確認もしてくれるサービスです。

③健康診断を受ける

自分の体を知るために、毎年健康診断を受けましょう。セルフメディケーション税制は、健康診断を受けている人が所得控除を受けられる制度になっています。

また健康診断で自分の体の特徴や、病気を早期発見することにも繋がります。積極的に健診を受けるようにしましょう。

④市販薬をうまく活用する

体調が悪くなるとすぐに受診していた方は、OTC医薬品を活用してみましょう。ただし間違った知識や理解でOTC医薬品を使用し続けることは危険です。もしも持病があってすでに病院から処方された薬を内服していた場合、勝手に似たようなOTC医薬品へ変更することはやめましょう。判断に迷った際は、まずかかりつけ医や薬局の薬剤師へ相談の上で使用することが大切です。

セルフメディケーションは、自分の健康維持のために大切な取り組みです。OTC医薬品を上手く活用することで、医療費の削減にも繋がります。確定申告で損をしないためにも、レシートはきちんと保管しておきましょう。