骨粗しょう症とは?予防方法も解説
高齢者がかかりやすい病気の一つに、骨粗しょう症があります。
今回は、骨粗しょう症の発生機序や種類、リスク因子、そして予防方法について解説します。
骨粗しょう症予防に興味のある人は、ぜひ参考にしてください。
Contents
骨粗しょう症とは
骨粗しょう症とは、骨の強度が弱まり骨折しやすくなった状態のことをいいます。
本来骨は、新たに作られるしくみ(骨形成)と、溶かして壊されるしくみ(骨吸収)を日々繰り返しています。しかし、骨粗しょう症の状態では、女性ホルモンの欠乏や加齢、運動不足などさまざまな要因が重なってこのサイクルのバランスが崩れてしまうと考えられています。
通常、骨粗しょう症を発症しただけでは痛みは生じないため、自分では気が付きにくいこともしばしば。しかし、ぶつけたり転んだりといった少しの刺激によって骨折しやすくなってしまう病態ですので、必要に応じて内服薬や注射などによる治療が行われることがあります。また、骨折した際にはもちろん治療が必要です。
骨粗しょう症の種類
骨粗しょう症には、「原発性骨粗しょう症」と「続発性骨粗しょう症」の2種類があります。
原発性骨粗しょう症は、明らかな原因疾患がなく、女性ホルモンの減少や加齢に伴って発症する骨粗しょう症です。閉経後骨粗しょう症や男性骨粗しょう症、特発性骨粗しょう症などを含みます。
一方、続発性骨粗しょう症は、骨がもろくなってしまう原因や疾患が明らかな骨粗しょう症です。関節リウマチや副甲状腺機能亢進症などの疾患や、ステロイド薬の副作用によって発症し得る病態です。
骨粗しょう症により骨折が起こりやすい部位
骨粗しょう症により骨折が起こりやすい部位は、下記のとおりです。
- 背骨(脊椎の圧迫骨折)
- 手首の骨(橈骨遠位端骨折)
- 太ももの付け根の骨(大腿骨頸部骨折)
骨粗しょう症のリスク因子
女性ホルモンの欠乏や加齢、運動不足以外にも、過度なダイエットや偏食、カルシウムやビタミンD不足などの食生活の乱れや過度のアルコール摂取、遺伝、ストレス、喫煙なども骨粗しょう症のリスク因子です。
骨粗しょう症の予防方法
さまざまな要因によって発症する骨粗しょう症ですが、生活を少し工夫するだけで発症予防や進行速度を遅らせることが可能です。
バランスのよい食生活
骨粗しょう症予防に重要なのが、バランスのよい食生活。1日3食摂取することはもちろんのこと、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンB群、たんぱく質を積極的に摂取するように心がけましょう。これらの栄養素は、骨粗しょう症予防においてとくに大切です。それぞれの栄養素を多く含む食品を積極的に取り入れましょう。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける効果があるため、ビタミンDとカルシウムは一緒に摂取することをおすすめします。
カルシウムを多く含む食品例
- 乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)
- 大豆製品(豆腐、大豆、豆乳など)
- 緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜、大根の葉など)
- 海藻類(乾燥ひじき、昆布、わかめなど)
- ごま
- 魚(わかさぎ、しらす干し、ししゃも、煮干しなど)
ビタミンDを多く含む食品例
- 魚(かつお、さんま、いわし、さけなど)
- きのこ(きくらげ、舞茸、しいたけ、しめじなど)
ビタミンKを多く含む食品例
- 納豆
- 緑黄色野菜(ほうれん草、かぶの葉、モロヘイヤ、小松菜、ブロッコリーなど)
- 卵
ビタミンB群を多く含む食品例
- 肉(豚肉、レバーなど)
- 魚(かつお、まぐろ、たらこ、いわし、さんまなど)
- 緑黄色野菜(枝豆、ほうれん草など)
たんぱく質を多く含む食品例
- 肉類全般(鶏肉、豚肉、牛肉など)
- 魚類全般(まぐろ、さけ、えび、あじなど)
- 卵
- 豆類(納豆、豆腐など)
- 乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)
適度な運動
骨に重力負荷が加わるような運動を適度に行うことも、骨粗しょう症予防に効果的です。運動習慣のない人は、取り組みやすいウォーキングやジョギングから始めてみるとよいでしょう。家事や買い物などを積極的に行うこともおすすめです。
運動に慣れてきたら、片足立ちや背筋運動、スクワットなども行ってみましょう。
片足立ちは、太ももの骨に強く負荷がかかるため骨密度が上昇することがわかっていますが、無理して行って転倒してしまっては本末転倒ですので、自分の体力を見極めながら行いましょう。
背筋は背骨の強化に、スクワットは股関節や太もも、おしりの筋肉の強化におすすめです。
日光浴
日の光をしっかりと浴びると、ビタミンDが生成され骨粗しょう症予防に効果的です。朝起きたら日の光を浴びる習慣をつけましょう。
まとめ
今回は、骨粗しょう症について、その概要と予防方法を解説しました。
骨粗しょう症は女性に起こりやすい病気ですが、生活習慣に気を配ることで予防ができます。バランスのよい食事と適度な運動、日光浴を習慣化し、転ばないように気を付けましょう。
閉経後の女性には、整形外科の定期的な受診をおすすめします。