「デイサービスとデイケアは、どちらを選べばいいのだろう」とお悩みではありませんか？

デイサービスとデイケアではサービス内容や料金など多くの違いがあるため、利用者にあったサービスを適切に選択する必要があります。

この記事では、デイサービスとデイケアについて比較し、それぞれの対象者・おすすめしたい人まで解説しているので、ぜひ参考にしてください。

デイサービスとデイケアを利用する目的の違い

デイサービスとデイケアは、サービス内容・利用目的が異なる介護保険サービスです。

そもそもデイサービスとデイケアの違いとは

デイサービスとデイケアはどのような違いがあるのでしょうか。

それぞれの概要について解説します。

デイサービスの概要

デイサービスとは「通所介護」のことをいい、自宅でできるだけ自立した生活が行えるように支援するサービスです。

65歳以上の要介護1〜5に認定された方が対象で、主に食事や入浴、排泄など日常生活の介助が中心です。

しかし、最近では認知症特化型デイサービスや料理特化型サービスなど、特色を持つ施設も増えてきています。

デイケアの概要

デイケアとは「通所リハビリテーション」のことをいい、身体機能や日常生活、認知機能の改善・維持を支援するサービスです。

65歳以上の要支援1〜2、要介護1〜5の要介護認定を受けた方が対象で、リハビリや医療ケアを中心にサービスを受けられます。

デイケアには、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などが在籍し、医師の指示のもとで専門的なリハビリが受けられるのが特徴です。

デイサービス・デイケアの利用目的

デイサービスとデイケアはサービスの目的が異なります。

デイサービスの目的は「利用者が自宅で自立した生活が行えるように支援するサービス」であり、日常生活における介護が中心のサービスとなっています。

それに対して、デイケアの目的は「身体機能や日常生活、認知機能の改善・維持を支援するサービス」で、リハビリや医療ケアが中心です。

デイサービスでも「機能訓練」を受けられる施設が増えていますが、指導員が看護師や介護士などのリハビリ専門スタッフではないことを理解しておきましょう。

デイサービス・デイケアの比較

さらに詳しく知るために、デイサービスとデイケアについて以下の項目で比較してみましょう。

• 施設の人員体制の違い
• サービス内容
• 費用の違い

それでは以下で1つずつ解説していきます。

施設の人員体制の違い

デイサービスとデイケアでは、サービス内容が異なるため必要な人員（職種）が違います。

それぞれの必要な人員は以下の通りです。

デイサービス	デイケア
看護師 介護士 生活相談員 機能訓練指導員	医師 看護師 介護士 リハビリ専門員

デイサービスとデイケアの決定的な違いは「医師が常駐しているかどうか」です。

デイケアであれば、運動中などに体調不良となっても医師や看護師などによる適切な対処が受けられます。

また、医師の指示のもとで専門的なリハビリや医療処置を受けられます。

サービス内容の違い

それぞれのサービス内容は以下の通りです。

デイサービス	デイケア
食事 入浴 排泄 レクリエーション 機能訓練（一部の施設）	食事 入浴 排泄 栄養改善 リハビリ 処置

デイケアも食事や入浴、排泄などの介助を受けることができます。

また、医師が常駐していることで、専門的なリハビリや怪我などの処置、栄養改善などのサービスを受けられるのが特徴です。

デイサービスにおいても、一部の施設では「機能訓練」を行っているので運動できる場合もあります。

リハビリと機能訓練の違い

デイサービスでは「機能訓練」を受けることができますが、リハビリとどんな違いがあるのでしょうか。

リハビリは、医師の指示のもとで理学療法士（PT）・作業療法士（OT）・言語聴覚士（ST）による専門的な運動療法や物理療法、日常生活操作練習などが受けられます。

しかし、機能訓練は看護師や介護士などのリハビリ専門の資格を持たない人でも運動指導が可能です。

そのため「専門的なリハビリをしたい」という方は、デイケアを選ばれます。

また、デイサービスにも理学療法士といったリハビリスタッフが「訓練指導員」として在籍しているので、筋力・体力を維持する目的であればデイサービスでも問題ないでしょう。

費用の違い

次は、費用の違いを確認してみましょう。

例として、利用者が1割負担で利用時間が6時間以上7時間未満の1回あたりの料金を記載しています。

	デイサービス	デイケア
要介護1	581円	710円
要介護2	686円	844円
要介護3	792円	974円
要介護4	897円	1,129円
要介護5	1,003円	1,281円

※上記料金は2023年時点のものとなります。料金は改定による変更や、利用する施設の規模・所要時間などによっても料金は変動します。

料金を比較すると、専門的なリハビリや医療処置が行えるデイケアの方が高額です。

デイサービスでも機能訓練などのサービスは受けられるため、「とにかく費用を抑えたい」という方はデイサービスを選択するといいでしょう。

デイサービス・デイケアの対象者とおすすめしたい人

デイサービス・デイケアの対象者やおすすめしたい人について紹介します。

デイサービスの対象者とおすすめしたい人

デイサービスは、65歳以上の要介護1〜5に認定された方が対象となります。

以下の項目に当てはまる方は、デイサービスの利用がおすすめです。

• いろんな高齢者と関わりたい
• 認知症が疑われる（あるいは認知症）
• 家に引きこもりになっている
• 入浴できれば、自宅で生活できる

レクリエーションなどがあるためより多くの高齢者と接することができ、機能訓練で体力・筋力低下の予防が可能です。

また、「自宅の生活で入浴だけが心配……」など生活の一部のみに介助が必要な方も、デイサービスを利用すれば安心した生活を送ることができます。

デイケアの対象者とおすすめしたい人

デイケアは、65歳以上の要支援1〜2、要介護1〜5の要介護認定を受けた方が対象となります。

デイケアをおすすめしたい方は以下の通りです。

• 退院したばかりで生活が不安
• 専門的なリハビリを受けたい
• 万が一、体調が悪くなってもすぐに対応してほしい
• 自分に合った福祉用具などを提案してほしい
• 定期的に身体機能や動作能力などをチェックしてほしい

デイケアは医師が常駐しているため、安心して運動などが行えます。

医療処置や専門性の高いリハビリを受けたいという方は、デイケアの利用がおすすめです。

「デイケアについて、もっと詳しく知りたい！」という方は、以下に詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてください。

〈関連記事〉デイケアを利用する目的とは？｜〇〇な人におすすめ！

デイサービス・デイケアを利用する前にやっておきたいこと

デイサービス・デイケアを利用する前にやっておきたいことは3つあります。

• ケアマネージャーとよく相談しておく
• 利用したい施設を見学しておく
• 利用者本人が好きなこと・趣味などを伝えておく

以下で、1つずつ解説していきます。

ケアマネージャーとよく相談しておく

デイサービスやデイケアを利用する前は、ケアマネージャーとよく相談しておきましょう。

相談内容は以下の通りです。

• 現在の生活で困っていること
• どんなサービスを受けたいか
• どのような生活を送っていきたいか

このような内容を相談しておくことで、利用者にあったサービスや施設を紹介してもらうことができます。

利用したい施設を見学しておく

デイサービス・デイケアを利用する前に、施設見学はしておきましょう。

なぜなら、施設スタッフ・利用者の雰囲気、設備などを確認できるからです。

複数の施設を見学して比較することで、利用者にあった施設が見つけられます。

また、見学は本人も同行することで、本人も納得した上で利用開始しやすいでしょう。

利用者本人が好きなこと・趣味などを伝えておく

利用者本人が好きなこと・趣味などを施設スタッフに伝えておくことも大切です。

なぜなら、本人の活動意欲を高められる可能性があるからです。

例えば、リハビリでは趣味に繋がる運動・動作練習をすることで、本人の運動意欲はとても高くなる傾向にあります。

そのため、利用者の好きなことや趣味などはスタッフへ伝えておきましょう。

デイサービス・デイケアについてよくある質問

ここでは、デイサービスとデイケアについてよくある質問に回答します。

デイサービスとデイケアは途中で変更できる？

変更できます。

例えば、「デイケアに通ってリハビリを行い、身体機能が回復したらデイサービスに変更する」などが可能です。

利用施設が変わる場合は新しい施設の見学へいき、どのようなサービス・設備があるのかを確認しておくといいでしょう。

また、変更を考えている場合は、一度ケアマネージャーへ相談することをおすすめします。

デイサービスとデイケアは併用できる？

デイサービスとデイケアは併用可能です。

しかし、デイケアは介護認定が要支援1〜2の方でも利用できますが、デイサービスは要支援1〜2の方の利用ができません。

要支援1〜2の方でデイサービスを利用したいのであれば、介護予防サービスを検討するといいでしょう。

介護予防サービスとはなんですか？

介護予防サービスとは、介護を受けないように身体機能の維持・向上を目指すためのサービスです。

対象は「現状では介護の必要はないが、ゆくゆく介護が必要となる可能性がある介護認定が要支援1〜2の方」となっています。

介護予防サービスを受けることで、身体機能が低下しないようなサポートを受けることができます。

しかし、デイケアは要支援1〜2の方も対象であるため、どちらが利用者本人に合っているか検討する必要があるでしょう。