介護保険で使えるサービスをすべて紹介!対象の介護度まで解説

介護保険申請を考えている、あるいは申請した方で「実際に介護保険でどんなサービスが使えるのだろう」とお悩みではありませんか?

実際に受けられるサービスは20種類以上あり、「サービスの違いがよくわからない……」という方も多いかと思います。

この記事では各サービスの概要と対象者について解説しているので、ぜひ参考にしてください。

介護保険で使えるサービス一覧

以下は、介護保険で利用できるサービスの一覧です。

  • 自宅に訪問してもらう
    • 訪問看護
    • 訪問介護(ホームヘルパー)
    • 訪問リハビリ
    • 訪問入浴
    • 夜間対応型訪問介護
    • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
  • 施設に通う
    • デイケア(通所リハビリ)
    • デイサービス(通所介護)・地域密着型通所看護
    • 療養通所看護
    • 認知症対応型通所介護
  • 短期間の宿泊をする
    • ショートステイ(短期入所生活介護)
    • 短期入所療養介護
  • 訪問・通い・宿泊を組み合わせる
    • 小規模多機能型居宅介護
    • 看護小規模多機能型居宅介護
  • 自宅以外(施設など)で生活する
    • 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
    • 介護老人保険施設(老健)
    • 介護医療院
    • 有料老人ホーム・軽費老人ホームなどの特定施設入居者生活介護
  • 地域密着型サービス
    • グループホーム
    • 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
    • 地域密着型特定施設入居者生活介護
  • 福祉用具を借りる・買う
    • 福祉用具のレンタル
    • 特定福祉用具の販売
    • 住宅改修

サービスについて1つずつ紹介していきます。

自宅に訪問してもらう

自宅に訪問してもらうサービスは6つあります。

訪問看護

訪問看護は、医療的ケアが必要な病気や障害のある方が、住み慣れた家や地域で暮らせるように支援するサービスです。

サービス内容は、医師の指示のもとで健康状態の管理、医療処置、医療機器の管理、床ずれ(褥瘡)の予防などを行います。

対象者:要支援1〜2、要介護1〜5の方

「訪問看護について詳しく知りたい!」という方は、以下の記事で詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてください。

〈関連記事〉訪問看護のサービス内容とメリットとは?

訪問介護(ホームヘルパー)

訪問介護(ホームヘルパー)は、訪問介護員が自宅に訪問し、利用者ができるだけ自立した生活を行えるように支援するサービスです。

サービス内容は、食事・入浴・排泄などの「身体介護」に加えて、選択・料理・掃除などの「生活支援」を行います。

また、通院時の乗車・移送・降車を介助するサービスを提供する事業所もあります。

対象者:要介護1〜5の方

訪問リハビリ

訪問リハビリは、理学療法士や作業療法士といったリハビリ専門のスタッフが自宅へ訪問し、リハビリを行うサービスです。

筋力や体力を維持するだけでなく、自宅でリハビリを行うことによって生活に必要な動作を実際の場所で練習できます。

対象者:要支援1〜2、要介護1〜5の方

訪問入浴

訪問入浴は、看護師1名を含む1〜3名が自宅に訪問し入浴の介助を行うサービスです。

専用の浴槽の持ち込みがあるため、自宅の浴室で入浴介助が難しい場合でも利用可能です。

また、1名以上の看護師が付き添うので、急変時にもすぐに対応できます。

対象者:要支援1〜2、要介護1〜5の方

夜間対応型訪問介護

夜間対応型訪問看護は、利用者が24時間できるだけ自立した生活を行えるように支援するサービスです。

サービス内容は「定期巡回」と「随時対応」の2つがあります。

定期巡回は18時〜8時までの間に定期的な訪問をうけ、排泄の介助・安否確認などを行うサービスです。

随時対応は夜間帯に急な体調不良や転倒などが起きた場合にヘルパーを呼び、介助や救急車などの手配を行います。

利用者の身体状況などによって使い分けることが可能です。

対象者:要介護1〜5の方

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、利用者ができるだけ自立した生活が送れるように定期巡回・随時対応をするサービスです。

利用者の身体状況などに応じて、24時間365日いつでも必要なサービスを必要なタイミングで提供します。

また、介護士・看護師の両方のサービスを受けることができますが、サービス内容が同じである訪問介護・夜間対応型訪問介護などと併用できません。

対象者:要介護1〜5の方

施設に通う

高齢者が施設で体操をしている

施設に通うサービスは4つあります。

デイケア(通所リハビリ)

デイケア(通所リハビリ)は、病院・老人保険施設・診療所などに通ってリハビリを受けるサービスです。

理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門スタッフから、身体機能・日常生活機能・口腔機能向上のためのリハビリテーションが提供されます。

また、日常生活の支援や栄養改善などのサービスも受けられます。

対象者:要支援1〜2、要介護1〜5の方

「デイケアを利用する目的が詳しくしりたい!」という方は、以下の記事で詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてください。

〈関連記事〉デイケアを利用する目的とは?|〇〇な人におすすめ!

デイサービス(通所介護)・地域密着型通所看護

デイサービス(通所介護)は、デイサービスセンターなどに通い、食事や入浴、機能訓練を受けるサービスです。

ひきこもりや孤独感の解消、心身機能の維持、家族の介護負担軽減を目的としています。

デイサービスでは、機能訓練が受けられる事業所もありますが、介護士や看護師などのリハビリスタッフでない方が指導員となる可能性があります。

対象者:要介護1〜5の方

療養通所看護

療養通所看護は、難病・脳血管疾患などの後遺症が重度な方・末期がん・認知症など、常に看護師による観察が必要な方が受けられるサービスです。

ひきこもりや孤独感の解消、心身機能の維持・改善、家族の介護負担軽減などが目的です。

療養通所介護施設に通い、食事や入浴などの生活支援や機能訓練、口腔機能向上などの支援を受けられます。

対象者:要介護1〜5の方

認知症対応型通所介護

認知症対応型通所介護は、認知症の方を対象とした専門的なケアを受けられるサービスです。

ひきこもりや社会的な孤立感の解消、心身機能の維持・向上、認知機能の維持、家族の介護負担軽減などが目的です。

デイサービスセンターやグループホームなどの施設に通い、食事や入浴などの生活支援や機能訓練、口腔機能向上等のサービスが受けられます。

対象者:要支援1〜2、要介護1〜5の方

短期間の宿泊をする

短期間の宿泊ができるサービスは2つあります。

ショートステイ(短期入所生活介護)

ショートステイは、特別養護老人ホームなどが常に介護が必要な方の短期間の入所を受け入れて、入浴や食事などの生活支援や機能訓練が受けられるサービスです。

連続利用日数は30日までと決まっています。

利用できる対象者は以下の通りです。

  • 要支援1〜2、要介護1〜5の方
  • 利用者の病状が悪い場合
  • 利用者の心身状態が悪い場合
  • 介護者の疾病・冠婚葬祭・出張などがある場合
  • 介護者の身体的・精神的な負担の軽減が必要な場合

短期入所療養介護

短期入所療養介護は、病院や介護老人保健施設、介護、医療院などによる日常生活の支援、医療処置、看護、機能訓練が受けられるサービスです。

療養生活における質の向上、家族の介護負担軽減などが目的です。

連続利用日数は30日までと決まっています。

対象者:要支援1〜2、要介護1〜5の方

訪問・通い・宿泊を組み合わせる

訪問・通い・宿泊を組み合わせたサービスは2つあります。

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護は、利用者の選択に応じて、通い・宿泊・訪問を組み合わせて利用できるサービスです。

利用者の状態に応じて柔軟な対応が可能であり、地域の住民の方との交流をしながら、生活支援・機能訓練が受けられます。

対象者:要支援1〜2、要介護1〜5の方

看護小規模多機能型居宅介護

看護小規模多機能型居宅介護は、利用者の選択に応じて、通い・宿泊・訪問を組み合わせて利用できるサービスです。

利用者の状態に応じて訪問介護・訪問看護を組み合わせることが可能です。

また、地域の住民の方と交流をしながら、生活支援・機能訓練が受けられます。

対象者:要介護1〜5の方

自宅以外(施設など)で生活する

施設などで生活するためのサービスは4つあります。

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

特別養護老人ホームは、常に介護が必要な方が入所し、食事や入浴、生活支援、機能訓練などのサービスを受けられます。

また、利用者の意思や人格を尊重しながら、在宅復帰を目指します。

対象者:要介護1〜5の方

「老人ホームの種類がわからない……」という方は、以下の記事で老人ホームの種類について詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてください。

〈関連記事〉老人ホームの種類と違いを解説します

介護老人保険施設(老健)

介護老人保健施設は、在宅復帰を目指している方が入所し、リハビリや必要な医療ケア、介護などのサービスが受けられます。

在宅復帰の際は必要なサービスの検討まで行います。

対象者:要介護1〜5の方

介護医療院

介護医療院は、長期の療養が必要な方を受け入れ、看護、介護、機能訓練、日常生活の支援などのサービスを受けられます。

対象者:要介護1〜5の方

有料老人ホーム・軽費老人ホームなどの特定施設入居者生活介護

特定施設入居者生活介護は、厚生労働省が定めた基準をクリアした有料老人ホームや軽費老人ホームを指します。

ケアプランを元に、訪問看護や訪問リハビリなどの外部の特定介護サービス事業所と連携しながら、食事や入浴、生活の支援、リハビリなどのサービスが受けられます。

対象者:要支援1〜2、要介護1〜5の方

地域密着型サービス

地域密着型サービスは3つあります。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

グループホームは、認知症の方が対象で、専門的なケアを受けられるサービスです。

家庭的な環境で地域の方5〜9名とともに、食事や入浴、生活の支援、機能訓練などのサービスを受けます。

対象者:要支援2、要介護1〜5の方

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、入所定員が30名未満と定められた特別養護老人ホームが常に介護が必要な方の入所を受け入れ、食事や入浴、生活支援、機能訓練などのサービスを受けられます。

対象者:要介護1〜5の方

地域密着型特定施設入居者生活介護

地域密着型特定施設入居者生活介護は、厚生労働省が定めた基準をクリアした入居定員30名未満の有料老人ホームや軽費老人ホームを指します。

食事や入浴、生活の支援、機能訓練などのサービスが受けられます。

対象者:要介護1〜5の方

福祉用具を借りる・買う

介護保険を使って、福祉用具のレンタル・特定福祉用具の購入が可能です。

また、住宅を改修する際は、補助を受けることができます。

福祉用具のレンタル

介護保険の認定を受けていれば、福祉用具のレンタルが可能です。

以下は、レンタルできる福祉用具の一部です。

  • 車椅子
  • 歩行器
  • ベッド
  • 手すり
  • スロープ
  • 人感センサー

認定区分によってレンタルできる物品が異なるので、レンタルする前にケアマネージャーへ相談しましょう。

特定福祉用具の販売

介護保険でポータブルトイレなど、レンタルに適していない福祉用具を購入できます。

以下は、購入できる特定福祉用具の一部です。

  • ポータブルトイレ
  • 入浴補助具
  • 腰掛便座
  • 簡易浴槽

特定福祉用具の購入を検討している場合も、ケアマネージャーへ相談しましょう。

住宅改修

介護保険を持っていると、住宅改修の工事費用7〜9割が給付されます。(限度額:20万円)

例えば、住宅改修に10万円かかった場合、自己負担割合が1割であれば9万円の給付が受けられます。

まとめ

いかがでしたか?

介護保険で利用できるサービスは20種類以上あり、利用者に合わせてさまざまなサービスが受けられます。

しかし、介護保険を持っていないと利用できないサービスが多いので、まずは介護保険申請からはじめましょう。

「介護保険申請についてよくわからない……」という方は、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

〈関連記事〉介護保険の認定調査とは?正しい判定には事前準備が大切