高齢者でやることがない方へ|やりたいことを見つけるためのポイントや方法についても詳しく解説

「高齢になってから、やることがない」

「やりたいことを見つけたいけど、どうすればいいのか分からない」

上記に挙げられているような、悩みを持つ高齢者の方も多いのではないでしょうか。高齢者にとってやることがない状態が続くと、QOL(クオリティオブライフ)が低下するだけでなく、心身に異常をきたす原因にもなります。

本記事では、高齢者でやることがない状態の問題やメリットについて解説します。併せて、やりたいことを見つけるためのポイントや方法についても紹介するので、ぜひ記事を参考にしてください。

高齢者でやることがないと何が問題?

高齢者でやることがないと何が問題?

高齢者でやることがないと、以下のような問題があります。

  • 生活リズムが崩れてしまう
  • 社会交流が減ってしまう
  • 生きる楽しみがない

それぞれの問題について解説します。

生活リズムが崩れてしまう 

やることがない状態の高齢者に起きる問題として、生活リズムが崩れてしまうことが挙げられます。特に日中にやることがない状態が続くと、昼寝をしてしまい、昼夜逆転してしまう可能性もあるでしょう。

昼夜逆転してしまうと、生活のリズムが崩れてしまうだけでなく、睡眠の質が下がり疲労やストレスが溜まりやすくなります。疲労やストレスが溜まると、何をするにも面倒くさく感じてしまうため、悪循環が生まれてしまいます。

社会交流が減ってしまう 

高齢者の方でやることがないと、他者と関わる時間が少なくなってしまうため、社会交流が減ってしまう可能性があります。今までは仕事があったため、必然的に他者と関わる機会があったでしょう。

しかし、仕事を定年退職し、やることがない状態だと、他者と関わる機会が少なくなるので、家族以外との社会交流が減ってしまいます。社会交流が減った状態だと、社会から疎外されている感覚に陥りやすく、孤独感を感じてしまう原因にもなってしまうでしょう。

生きる楽しみがない 

高齢者でやることがない状態が続くと、生きている楽しみが見いだせず、生きるための活力が湧いてこなくなる可能性があります。やることがない日々を過ごしていると、「人生が楽しくない」や「何もやる気が起きない」などのネガティブな感情が生まれやすいです。

ネガティブな感情は、本人が人生を楽しむための意欲を削いでしまうため、うつ状態になるリスクがあります。高齢者の方で「生きていて楽しくない」という発言が見られる場合には、生きる楽しみを見いだせていない可能性があるので注意が必要です。

高齢者でやることがない状態を防ぐメリット

高齢者でやることがない状態を防ぐメリット

高齢者でやることがない状態を防ぐメリットは、以下のとおりです。

  • 運動不足を解消できリハビリにもなる
  • 認知症を予防できる 
  • 新しい交流が生まれる
  • 生きることへの活力が生まれる

それぞれのメリットについて解説します。

運動不足を解消できリハビリにもなる

高齢者になってからやることを作り、体を動かすことで、運動不足を解消できリハビリにもなります。基本的にやることがない状態が続くと、高齢者の場合は外出する機会も減ってしまうため、運動不足になる可能性が高いです。

高齢者になると、運動不足による筋力低下が見られる方が多くなるため、転倒してしまい骨折するケースも少なくありません。体を動かす趣味やボランティア活動を取り入れることで、運動不足を解消できるうえリハビリにもなるため、様々なメリットを得られるでしょう。

認知症を予防できる 

高齢者でやることがない状態を防ぐことで、認知症の予防効果が期待できるでしょう。特に一人暮らしでやることがない高齢者の方は、自宅にいる時間が多く会話をする機会が減ってしまっているため、認知機能が下がりやすいです。

国立長寿医療研究センターは、空いた時間に好きな趣味を取り入れるのは、認知機能を維持するために重要であると発表しています。[1]そのため、暇な時間にやることをみつけることで、脳の活性化を促すことができ、認知症の予防も期待できるでしょう。

<関連ページ>認知症になりやすい人の特徴とは?原因と予防策を解説 

新しい交流が生まれる

趣味やボランティアなどのコミュニティに参加すると、新しい交流が生まれやすいです。高齢者になると、他者との関係が狭まってしまうことが多いですが、新しい交流が生まれることで刺激にもなります。

趣味やボランティアでの活動を通して、交流の幅を広げると、老後の生活が豊かになることが期待できます。また、同じような境遇の方との交流を深めることで、自宅以外にも心の拠り所を作れるため、精神的な安定にもつながるでしょう。  

生きることへの活力が生まれる 

高齢者でやることがない状態を防ぐと、楽しい日々を送ることができ、生きることへの活力が生まれることが期待できるでしょう。やることが何もない状態だと、生きるための目標がないため、生きるための活力が生まれづらくなる可能性があります。

自分の好きな趣味や社会貢献できるボランティアに取り組むことで、生きるための目標ができ、生きることへの活力も生まれるでしょう。生きる活力が生まれると、何事にも前向きに取り組むことができるため、老後の生活がさらに豊かになることが期待できます。

高齢者がやりたいことを見つけるためのポイント 

高齢者がやりたいことを見つけるためのポイント 

高齢者がやりたいことを見つけるためのポイントは、以下の4つです。

  • 本人が興味を持てるのか 
  • 体力的に問題ないか 
  • 1人でも行えることか 
  • 経済的負担が大き過ぎないか

それぞれのポイントについて解説します。

本人が興味を持てるのか 

やりたいことを見つけるためには、まずは高齢者本人が興味を持てるのかが重要なポイントです。無理やり物事に取り組んでも、本人が興味を持てなくては長くは続きません。

高齢者本人が興味を持てることを見つけるには、若い時に取り組んでいたことを思い出してみましょう。若い頃に取り組んでいたことであれば、興味を持って始めやすく、長く続けられる趣味として取り入れられるかもしれません。

体力的に問題ないか 

高齢者でやりたいことを見つけるときは、長く続けていくにあたって、体力的に問題がないかを確認しておきましょう。若い頃と比較すると、高齢者は体力や筋力が低下しているため、できることも限られてしまいます。

やりたいことが年齢に見合っていない場合、肉離れや骨折などのケガをしてしまう可能性もあるため注意が必要です。そのため、アウトドアやスポーツなどの体を使う趣味を行いたい時は、自分の体力的に問題がないかを慎重に検討してから取り入れましょう。

<関連ページ>高齢者が筋力低下を起こす原因は〇〇|予防策まで解説!

1人でも行えることか 

高齢者の方でやりたいことを見つける際には、1人でも行える趣味や活動なのかを確認しておきましょう。送り迎えや手助けが必要な場合、家族の都合によっても趣味や活動が制限されてしまうためです。

また、家族に迷惑をかけてしまうのではないかと、不安が残っていると、高齢者本人がやりたいことを遠慮してしまうこともあります。やりたいことを長続きさせるためにも、なるべく1人で行える趣味や活動を選択した方がよいでしょう。

経済的負担が大き過ぎないか 

やりたい趣味や活動が見つかったら、経済的負担が大き過ぎないかも確認しておきましょう。経済的に負担の大きい趣味や活動は、長く続けるのには不向きであり、お金を理由に諦めざるを得ないケースもあります。

やりたいことの経済的負担を考える時は、道具代や月額でかかる費用などをきちんと計算しておくとよいでしょう。どうしても費用がかかってしまう趣味や活動を行う場合は、いかに経済的負担を抑えて取り組めるのかを意識しておくことがおすすめです。

高齢者がやることがない状況から抜け出すための方法

高齢者がやることがない状況から抜け出すための方法

高齢者がやりたいことを見つけるための方法は、以下のとおりです。

  • 無意識に興味が持てることから見つける 
  • 昔の趣味を思い出して取り組む
  • 過去に仕事や家族に遠慮してできなかったことを思い出す
  • 今の年齢だからこそ取り組めることを探す 
  • 経済的に負担のかからない趣味を見つける

それぞれの方法について解説します。

無意識に興味が持てることから見つける 

やりたいことを見つける時は、無意識に興味を持てることから見つけてみましょう。「やりたいことを何がなんでも探すぞ!」と意気込んでしまうと、楽しく取り組みたいはずが、かえってストレスになってしまう可能性があります。

無意識に興味を持っていることを探す場合には、自分の何気ない普段の行動または習慣からヒントを探してみるとよいでしょう。自身が無意識に興味を持っている事は、長く続けやすく、楽しんで取り組める可能性が高いです。

昔の趣味を思い出して取り組む 

高齢者になってやりたいことを見つけるには、昔の趣味や思い出から探すのもひとつの方法です。昔の趣味や思い出は、印象的に記憶が残っている場合が多く、やりたいことを見つける大きなヒントにもなるでしょう。

過去の趣味や思い出をヒントに始めると、高齢者本人も受け入れやすく、ストレスなく取り組むことが期待できます。また、過去を思い出す行動は、やりたいことを見つけるだけでなく、脳への刺激によって精神的に安定する効果も望めるでしょう。

過去に仕事や家族に遠慮してできなかったことを思い出す 

やりたいことを見つけることに困った時は、過去に仕事や家族に遠慮してできていなかったことがないか思い出してみましょう。若い頃に仕事や家族との時間を優先していた場合、自分だけのプライベート時間を確保できていなかったという方も多いのではないでしょうか。

高齢者の年代になれば、仕事も定年退職し子どもも自立しているため、自分だけに時間を割くことができます。そのため、これからは自分の好きなことに没頭できるので、まずは過去にできていなかったことがないか、思い出すことから始めてみましょう。

今の年齢だからこそ取り組めることを探す 

「今の年齢だからこそ取り組めることがないか」という視点で、やりたいことを探すこともひとつの方法です。若い時とは違って、年齢を重ねたからこそ楽しめる趣味や活動も多くあります。

また、高齢者になるとシニア向けの割引サービスが使用できることも魅力です。割引サービスは公共施設や公共交通機関で使用できるため、経済的負担を抑えつつ、さまざまなことにチャレンジできるでしょう。

経済的に負担のかからない趣味や活動を見つける 

高齢者でやりたいことを探す場合は、経済的に負担のかからない趣味をみつけるとよいでしょう。定年退職をした高齢者の場合、若い頃と比較すると収入が減っているため、経済的負担が大きい趣味や活動だと負担がかかってしまいます。

また、経済的負担が大きいと、楽しく趣味や活動を行えていたが、経済的な理由で諦めなくてはいけないケースも少なくありません。初めから経済的に負担のかからないものを探しておけば、途中で諦めてしまう失敗もなく、長く続けられる趣味や活動に出会えるでしょう。

高齢者でやることがない時は「新たな生きがい」を見つけるチャンス

まとめ

高齢者でやることがないと感じている方は、「やりたいこと」を見つけることで、新しい生きがいを見つけられるかもしれません。また、高齢者になってからやりたいことを見つけることで、QOL(クオリティオブライフ)が上がるだけでなく、身体のリハビリや認知症予防にも繋がります。

上記の項目で紹介した、高齢者でやりたいことを見つけるためのポイントや方法を参考にしていただき、自分に合った趣味や活動を始めてみましょう。

わたしたちメドアグリケアグループは、茨城県に有料老人ホームを展開しています。ホーム内では、さまざまなイベントや催し物を企画しているため、入居者同士で交流を深めることも可能です。

やることがないと感じている方は、ぜひこの機会にメドアグリケアで展開している有料老人ホームの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

<参考文献>

[1]国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター/“趣味活”でイキイキした毎日を 【認知症予防】/https://www.ncgg.go.jp/ri/advice/16.html