認知症予防にウォーキングが有効な理由とは?効果的な方法や重要なポイントについても解説
「認知症予防にウォーキングが良いって聞くけど本当?」
ウォーキングを含めた運動やリハビリが認知症予防に有効と聞き、上記のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
認知症予防の代表的な運動のひとつとして、ウォーキングが挙げられます。また、認知症予防以外にもウォーキングにはさまざまな効果が期待できます。
この記事では、認知症予防にウォーキングが有効な理由について解説します。ウォーキング以外にも、認知症予防で取り入れやすい運動についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Contents
認知症予防にウォーキングが有効な理由
認知症予防にウォーキングが有効な理由として、以下3つが挙げられます。
- 認知症の原因物質を抑制してくれるため
- 脳の活性化に繋がるため
- 外に出ることで精神的な健康にも繋がるため
それぞれの理由について解説します。
認知症の原因物質を抑制してくれるため
代表的な認知症の種類である「アルツハイマー型認知症」は、原因物質であるアミロイドβが溜まることで発症します。上記に挙げた原因物質は、加齢により誰でも溜まってしまうものです。
しかし、最近の研究では、運動習慣がない人の脳は原因物質が溜まりやすく、反対に運動している人の脳には少ないことが明らかにされています。[1]そのため、運動習慣で取り入れやすいウォーキングは、認知症予防に有効な手段のひとつであると言えるでしょう。
ウォーキングを含めた運動によって原因物質を抑制してくれるメカニズムは、いまだに解明されていません。しかし、研究結果によって原因物質を抑制してくれることは分かっているため、認知症予防を手軽に始めたい方に向いています。
<関連サイト>認知症になりやすい人の特徴とは?原因と予防策を解説
脳の活性化に繋がるため
脳の活性化を促してくれるウォーキングは、認知症予防に有効なひとつの手段と言えるでしょう。理由としては、ウォーキングを含めた運動が、脳の記憶力や思考力の向上または維持に関係していると、さまざまな研究で分かっています。
日本予防理学療法学会にて発表された論文によると、有酸素運動もしくは筋力増強運動が与える効果として、認知機能の向上に加え、脳容量の増大または萎縮抑制効果も報告されています。[2]ウォーキングは有酸素運動に分類される運動のため、上記の研究結果からも、認知症予防に有効であると言えるでしょう。
脳の活性化を促すためには、習慣的なウォーキングが必要です。慣れないうちは5分〜10分でもいいので、習慣的にウォーキングを取り入れるようにすると、認知症予防効果が期待できるでしょう。
外に出ることで精神的な健康にも繋がるため
ウォーキングを取り入れることで、外にでる機会も増えてくるため、精神的な健康にも繋がります。精神的に不健康な状態では、脳の血流も悪くなり十分な栄養が届かなくなるので、脳容量の萎縮にも繋がります。
ウォーキングで外にでる機会を増やすことで、気分をリフレッシュでき、健康的な精神状態を作ることも期待できるでしょう。また、ウォーキングを含めた運動を行うことで、交感神経が優位になり、ストレスを軽減してくれるホルモンが分泌されます。
人間は、家に閉じこもってしまうとネガティブな考えになりやすいです。ここ最近、家に引きこもりがちな高齢者の方は、外にでる機会を増やすという意味でも、まずは手軽に行えるウォーキングを取り入れてみましょう。
認知症予防に効果的なウォーキングの3つのポイント
認知症予防に効果的な方法として、以下3つのポイントが挙げられます。
- 朝にウォーキングを取り入れる
- 正しいフォームでウォーキングする
- ウォーキング時間は40分以上を目安にする
それぞれのポイントについて解説します。
朝にウォーキングを取り入れる
ウォーキングは朝に取り入れることで、さまざまな効果が期待できます。朝日を浴びながらウォーキングを行うと、脳内の神経伝達物質のひとつであり幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が分泌されます。
身体的にも精神的にもリラックスした状態を作ることにおいて、セロトニンの分泌は重要なポイントです。また、リラックス効果だけでなく、ストレスの軽減や睡眠の質の改善効果も期待できます。
しかし、朝に起きることが苦手な方は、無理に早朝からウォーキングを行うと、ストレスになってしまうこともあります。そのため、朝が苦手な方は無理に行わず、自身が取り入れやすい時間帯にウォーキングをするようにしましょう。
正しいフォームでウォーキングする
効果的なウォーキングを行う際は、正しいフォームを意識することが重要です。正しいフォームでウォーキングを行う際に大切なポイントは、以下4つです。
- 目線は前を向き、上半身はまっすぐに保つ
- 肘を曲げて、腕をしっかりと前後に振る
- お腹に力を入れるように意識する
- 足の指でしっかりと地面を捉え、足を踏み出す
上記のポイントを意識すると、全身の筋肉をバランスよく使いながらウォーキングができます。また、フォームを意識する際には、糸で頭を引っ張られているようにイメージすると、正しいフォームに近づけることができるでしょう。
ウォーキング時間は40分以上を目安にする
高齢者が効果的なウォーキングを取り入れる際は、40分以上を目安にするとよいでしょう。厚生労働省が定めた「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」によると、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行うことを推奨すると発表されています。
平均的な高齢者の歩数に換算すると、40分以上のウォーキングを行う場合には、1日6000歩以上になります。しかし、高齢者の場合には運動能力にも差があるので、最初に取り入れる際には、無理のない運動量から始めましょう。
ウォーキング以外で認知症予防が期待できる運動
ウォーキング以外で認知症予防が期待できる運動には、以下3つが挙げられます。
- ウォーキング以外の有酸素運動
- 筋力トレーニング
- スポーツ競技
それぞれの運動について解説します。
ウォーキング以外の有酸素運動
高齢者がウォーキング以外で取り入れやすい有酸素運動には、以下が挙げられます。
- ジョギング
- 体操
- サイクリング
- 水泳
- ダンス
また、有酸素運動には認知症予防だけでなく、健康づくりにおいて多数のメリットが存在します。有酸素運動を取り入れることで、健康的な体作りが実現し、ストレスを抑制する効果も期待できます。
また、筋力トレーニングやスポーツ競技と比較すると、体への負担も少ないので、まずは運動を習慣的に取り入れたい高齢者におすすめです。その他、認知症予防以外にも、高齢者がなりやすい生活習慣病の予防にも役立ちます。
筋力トレーニング
認知症予防では、ウォーキングを含む有酸素運動も合わせて、筋力トレーニングを取り入れることもおすすめです。また、筋力トレーニングには、認知症予防以外にも、高齢者にとって嬉しい効果が期待できます。
筋力トレーニングで嬉しい効果として代表的なのが、筋力や骨格の増強です。筋力や骨格が増強すると、健康的な体作りが望めます。その他にも、筋力トレーニングは体脂肪の減少を促進させるので、生活習慣病の予防にも役立つでしょう。
高齢者が行う筋力トレーニングでは、椅子に座りながら行うメニューも多くあるので、体力に心配のある方でも安心です。
スポーツ競技
認知症予防を目的とするならば、スポーツ競技を取り入れることもおすすめです。スポーツ競技では、有酸素運動と筋力トレーニングを同時に行うこともでき、頭を使って運動するため、認知能力の向上または維持が期待できます。
高齢者から人気で取り入れやすいスポーツ競技としては、以下が挙げられます。
- ゴルフ
- 水泳
- テニス
- 卓球
- ランニング
また、スポーツ競技を通して、同じような趣味を持つ仲間が作りやすいことも、認知症予防に繋がる理由のひとつです。同じようなスポーツ競技を行う仲間がいるコミュニティに属すると、定期的に体を動かすこともでき、楽しみながら認知症予防ができるでしょう。
まとめ
認知症予防において、ウォーキングが効果的なことが、記事を通して理解できたのではないでしょうか。準備するものは特に必要ないため、高齢者の方でもウォーキングは手軽に取り入れることができます。また、ウォーキングを含めた有酸素運動と合わせて、筋力トレーニングやスポーツ競技を取り入れると、より効果的な認知症予防が期待できます。
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