新型コロナウイルスの対応は良かったのか?日本の対応を見ていきます

新型コロナウイルス感染症のニュースが日本中を駆け巡っています。2020年3月30日現在で、日本国内の患者数は2000人を超えています。また、世界中の感染者数は70万人を超えていて、パンデミックという言葉を使っても良い段階まで来ているのではないでしょうか。日本国内では新型コロナウイルス感染症への対応へ疑問の声を上げる人もいますが、実際に日本政府の対応は間違えていたのでしょうか。今回は新型コロナウイルス感染症に対する日本政府の対応について見ていこうと思います。

  • 日本における新型コロナウイルス感染症の認識

中華人民共和国(以下:中国)で最初に新型コロナウイルス感染症の患者が発見されたのは2019年11月とされています。湖北省・武漢市の海鮮市場を中心に原因不明の肺炎患者が発生しました。その後、2020年1月、中国当局が新種のコロナウイルスを発見したと世界保健機関が発表しました。新型コロナウイルス以外にもコロナウイルスは存在します。中でも人へ感染するコロナウイルスは6種類あり、その中でもSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)が重症化しやすくなります。これら以外の4種類は風邪のような症状のみで治ることが多いです。

主にコロナウイルスの感染経路はくしゃみや咳とともに感染する「飛沫感染」です。新型コロナウイルスも飛沫感染が認められています。また、飛沫感染以外にも接触感染も報告されています。アメリカの発表によると空気中に数時間滞在する「エアロゾル感染」も認められているため感染力の高さが伺えます。

▲日本における新型コロナウイルス感染症の認識

当初、中国国内において新型肺炎の発症がニュースになりました。その時期はちょうど中国の正月といわれる「春節前」でした。春節には多くの中国人が来日して日本観光をすることは容易に想像できました。そこで政府は空路での入国者へ対して問診票を使用した自己申告プログラムの用意とサーモグラフィーによる検温を行いました。

日本という国は法律により全てが決められているといっても過言ではありません。つまり、法律で定められていないことは動こうにも動けないのです。そこで日本が最初にしたことは新型コロナウイルスを法律に載せることでした。2020年1月28日に安倍政権は政治判断という名目で閣議決定を行い、指定感染症の中に新型コロナウイルス感染症を追加したのです。これを境に政府は様々な行動をとることができるようになりました。

  • 初期対応に問題はなかったのか?

日本の初期対応に問題がなかったのかといえば疑問が残ります。春節を前に中国国内で新型コロナウイルス感染症が報告されましたが、日本政府は観光産業を優先してしまった結果多くの中国人の入国を許すことになってしまったのです。他にも日本政府には多くの困難が起きますが、初期対応で成功しているとはいえない結果となりました。

 

▲日本国内最初の感染者は中国国籍

日本国内で最初に新型コロナウイルス感染症の患者が発見されたのは2020年1月16日です。この男性は中国国籍で武漢市内への渡航歴が明らかになりました。その後、中国国内から政府チャーター便を利用して一時帰国した日本人たちに対しても問題が起きます。

当初、一時帰国者は政府の用意した待機所で2週間程度の健康観察を受けてから自宅へ帰るよう指示が出ていましたが、埼玉県内の男性は家庭の事情があるという理由で自宅へ帰ってしまったのです。この男性はその後陽性反応が出ています。帰宅する際に公共交通機関を利用していることから市中感染のリスクが高くなりましたが、市中感染は報告されませんでした。また、北海道では観光で訪道していた中国人感染者から新型コロナウイルスが検出されました。

▲ダイヤモンドプリンセス問題

日本国内で衝撃が走ったのはダイヤモンドプリンセスではないでしょうか。イギリスの会社が保有する豪華客船で約3700人が乗船していたがそのうち約630人が陽性反応を受けました。

新型コロナウイルスに感染した人とそうでない人を同じフロアへ滞在させたことや、清潔域と不潔域の違いがわかっていなかったことで船内感染者数を増やしていったのではないでしょうか。さらに、ダイヤモンドプリンセスを下船した人たちの多くは公共交通機関を利用して帰宅したり、外食をしてから帰宅したりしたため市中感染の恐れがありました。結果として市中幹線の原因となっていないようですが、政府の対応は感染症を軽視したものだといわざるを得ません。

  • 新型コロナウイルスの問題点

新型コロナウイルスを語る上で問題点としてあげられるのが中国政府の隠蔽です。2019年11月にすでに新型コロナウイルスに感染したという症例がありますが、中国当局が公表しなかったと報じられています。また、同年12月30日には武漢市中心病院救急科の医師が原因不明の肺炎患者に関するウイルス検査報告を医師だけのSNSグループにて情報共有しています。しかし、この医師はインターネット上で虚偽情報を掲載したというとして訓戒処分となってしまいます。(後に当局から謝罪と処分の撤回が発表されました)

このように国家ぐるみとなって新型コロナウイルス感染症の発覚を隠していたことは問題点として挙げられます。

▲買い占め問題

新型コロナウイルスと同時に問題になっているのが国内での買い占めです。マスクや消毒薬の買い占めはもちろん、トイレットペーパーやティッシュ・お米の買い占めも問題視されています。買い占められたものはオークションサイトなどで高額転売されており、政府が転売を防止させる法律を制定した珍しい事例です。

▲感染拡大

新型コロナウイルスは致死率が2%程度のウイルスです。また、感染した人の約8割が軽症で治ることから、感染予防への意識が薄かった時期があります。風邪のような症状が自覚症状としてあってもジムへ行く・ツアーへ参加する・外食をするなどして感染拡大を起こしている事例がありました。

▲退院後の再陽性

新型コロナウイルス感染症は治療を終えてPCR検査の結果が陰性でも再陽性となることがあります。これは市中感染などで再感染したか、体内のどこかでウイルスが隠れており時間の経過とともに再び検出できるほど増殖したかのどちらかですが、一度治療を終了すれば誰でも完治したものと思い込みますよね。治療できたと思い込んでから再び陽性反応が出てしまうとその時にはすでに日常生活を送ってしまっており、感染拡大を起こしているリスクも捨てられません。これは検査の精度の話になりますが、検査での陽性率を上げることで早期発見できるようにする必要もあります。

  • 国内における感染例を見る

ここでは実際に国内においてどのような形でクラスターが発生しているのか紹介していきます。

▲群馬県内における院内感染症例

群馬県にある医療機関の院長が感染。その後、看護師をはじめとするスタッフへ院内感染が発生しています。院内感染はスタッフだけで済みませんでした。医療機関を受診している患者も新型コロナウイルス検査で陽性反応が出てしまったのです。

▲千葉県内における施設内感染症例

千葉県内の障がい者施設内のスタッフが新型コロナウイルス検査で陽性反応が出ました。濃厚接触者として施設内の入所者を検査したところ60名近くの人から陽性反応が出ました。

このように国内における集団感染の例を見ると、「日常生活」の中で感染が広がっています。誰も移そうと思い移しているわけではないですが、結果的には大規模な感染へと繋がってしまっているのです。このことから国民には「誰かに感染させるリスクがある」ということを胸にひめて日常生活を送る必要があるのです。

  • 国民一人一人の覚悟が大事

新型コロナウイルスは現在、ワクチン開発や治療薬の開発が進められています。そこで私たちができることは一人一人が覚悟を持って感染予防することです。日頃から手洗い・うがいをすることはもちろん、人混みに近づかない・密閉された空間へいかないなどの努力をしましょう。自粛は退屈だという声も耳しますが、みなさんの大切な人を新型コロナウイルス感染症から守るためにも出歩かない勇気を持ちこれからも感染症と戦っていきましょう。

近年は、入院しながら治療することが難しくなってきています。
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