介護保険の負担割合は?負担軽減できる制度も解説
長く在宅で過ごす上で、欠かせないのが介護保険です。介護保険を利用しようとした時に「費用がいくらかかるの?」「どうやって費用が決められるの?」と疑問に思われる方も多いはず。
今回は介護保険の負担割合や利用できるサービスについて紹介します。介護保険を利用したことがない方、これから介護保険の利用を検討している方はぜひ参考にしてください。
介護保険は負担割合が設定される
介護保険は、役所へ申請し介護認定を受けることで、サービスを利用できます。所得によって負担割合が設定されており、サービスを利用したら、その負担割合に応じた費用を支払う形です。
「介護保険ってお金が支給されるの?」と勘違いされる方が多いですが、あくまでも利用する費用が安くなるというイメージです。
介護認定を受けるまでの間でお金がかかることはありません。あくまでもサービスを利用した時に発生します。
介護保険の自己負担額は?
所得によって設定されている介護保険の負担割合ですが、一体どのくらいの割合なのでしょうか。
基本的には1割負担
介護サービスは基本的に1割で利用することができますが、所得によっては、2〜3割負担の方もいます。負担割合は、「合計所得金額」と「65歳以上の世帯人数」に応じて設定され、毎年見直しが行われます。
合計所得とは、「年金」と「それ以外の所得(給与・不動産・配当・雑所得など)」の合計から各控除や必要経費を差し引いた金額を指します。また前年度の所得に応じて、負担割合が設定されます。
40〜64歳の第2号被保険者は、所得に関係なく1割負担になります。
収入によって2〜3割負担の場合も
元々は所得関係なく1割負担でしたが、近年制度が変わり一定以上の所得のある場合は2割、特に所得の高い場合は3割負担となっています。
例えば年金の他に給与などがあり、合計して現役並みの所得がある場合は2〜3割になる可能性があります。
また65歳以上の一人暮らしと、65歳以上の夫婦でも負担割合は異なります。
・65歳以上の一人暮らし
【1割負担】本人の合計所得金額が160万円未満、または本人の年金収入とその他の合計所得が280万円未満
【2割負担】本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満で、年金収入とその他の合計所得が280万以上、または本人の合計所得金額が220万円以上で年金収入とその他の合計所得が340万円未満
【3割負担】本人の年金収入とその他の合計所得が340万円以上
・65才以上の夫婦二人暮らし
【1割負担】本人の合計所得金額が160万円未満、または本人の合計所得金額が220万円未満で、本人と同一世帯の65歳以上の方の年金収入とその他の合計所得が346万円未満
【2割負担】本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満で本人と同一世帯の65歳以上の方の年金収入とその他の合計所得が346万円以上、または本人の合計所得金額が220万円以上で本人と同一世帯の65歳以上の方の年金収入とその他の合計所得が463万円未満
【3割負担】本人の合計所得金額が220万円以上で本人と同一世帯の65歳以上の方の年金収入とその他 の合計所得が463万円以上
どうやって確認する?
「収入がわからないと、介護保険の負担割合はわからないの?」「計算方法がわからないから、結局負担割合がわからない」という方もいるかもしれません。「介護保険負担割合証」を確認すれば、自分の負担割合が簡単に確認できます。
介護認定を受けると、介護保険証と負担割合証が自宅に郵送されます。負担割合証は毎年更新されるため、前年度の所得を反映したものが、毎年7月頃に届きます。
介護度ごとに支給限度額が定められている
介護サービスを利用するにあたって、実際にどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
介護保険は、介護度に応じて支給限度額が設定されています。
要介護度 | 支給限度額 |
要支援1 | 50,320円 |
要支援2 | 105,310円 |
要介護1 | 167,650円 |
要介護2 | 197,050円 |
要介護3 | 270,480円 |
要介護4 | 309,380円 |
要介護5 | 362,170円 |
この限度額までは、1〜3割負担で利用することができます。限度額を超えた分は全額自己負担になってしまいます。
サービス利用の際は、限度額を超えないようにケアマネジャーが調整してくれるため、基本的には超えることはないでしょう。
また福祉用具の購入や住宅改修には、以下の上限が定められています。
・福祉用具購入:年間10万円
・住宅改修:一人20万円(条件によっては、変わる場合がある)
費用の負担を軽減できる制度
介護保険を利用する上で、費用の負担を軽減できる制度があるので、覚えておきましょう。
高額介護サービス費
介護保険の支給限度額を超えてしまった場合、申請すると超えた分の費用を返金してもらう制度があります。それが高額介護サービス費です。
支給限度額は、世帯の収入によっても異なります。施設などの食費・居住(滞在)費・日常生活費・その他保険給付外のサービスに係る費用・福祉用具購入・住宅改修の負担分は含まれません。同じ世帯にサービス利用者が複数いる場合は、世帯全員の費用を合算することができます。
所得区分 | 上限額(月額) |
現役並み所得者Ⅲ(市民税課税世帯 ※1 で課税所得が690万円以上)に 相当する方がいる世帯の方 | 140,100円(世帯) |
現役並み所得者Ⅱ(市民税課税世帯で課税所得が380万円以上690万円未満)に 相当する方がいる世帯の方 | 93,000円(世帯) |
現役並み所得者Ⅰ(市民税課税世帯で課税所得が380万円未満)に相当する方がいる世帯の方 | 44,400円(世帯) |
世帯の全員が市民税を課税されていない方 | 24,600円(世帯) |
世帯の全員が市民税を課税されていない方のうち ・老齢福祉年金を受給している方 ・前年の「公的年金等収入額」と「その他の合計所得金額 」の合計が年間80万円以下の方 | 24,600円(世帯) 15,000円(個人) |
生活保護等を受給されている方 | 5,000円(個人) |
介護保険の仕組みは分かりづらい部分があるかもしれません。「介護保険を利用したいけど、仕組みがよくわからない」という方は、ぜひメドアグリケアへご相談ください。
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