かかりつけ医の必要性を考えよう!メリットや選び方のポイントを紹介
最近メディアなどでは「かかりつけ医を持ちましょう」と呼びかけていることがよくあります。「何かあったら近くにある大きな病院に行けばいいんでしょ?」と考えている方もいるかもしれません。しかし最近は紹介状がないと受診ができない病院も増えています。そのためかかりつけ医を持つことはとても重要です。
今回はかかりつけ医の必要性やメリットなどを紹介します。年齢を重ねると病院に行く機会も増えるため、自分に合ったかかりつけ医を選択できるようにしましょう。
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かかりつけ医とは
日本医師会では「健康に関することをなんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」のことを、かかりつけ医と呼んでいます。
国の方針として、かかりつけ医を決めることを求められています。
高齢者の増加に伴い、医療費の増加や受診の偏りが生じています。そのため医療の効率化を図るため、小さな病院と大きな病院で役割をはっきりさせようとしているのです。
国は病気別の診療計画に従って、急性期~回復期~維持期のそれぞれ役割を持った医療機関が連携し、患者さんに切れ目のない医療を提供する地域完結型医療を目指しています。つまりかかりつけ医がいることで、それぞれの医療機関との連携が強化できるのです。
日頃はかかりつけ医に受診し、必要な時は紹介状を書いてもらい、大きな病院を受診することが求められています。
かかりつけ医のメリット
国でかかりつけ医が求められていますが、患者側にメリットはあるのでしょうか。
①日頃の健康状態を把握してくれる
かかりつけ医には定期的に受診をするため、日頃の健康状態を把握してくれています。病状や生活習慣を理解してくれているため、いつもと違う症状があれば、すぐに相談することができます。大きな病院のように受診のハードルも低いため、何かあればすぐ受診も可能です。
②適切な医療機関へ紹介
「病院ならどこでも受診できるのでは?」と考えている方も多いかもしれませんが、上記でもお伝えした通り、大きな病院は紹介状がないと受診できない病院が増えています。
もし体に異変があった時や検査が必要な時は、かかりつけ医が紹介状を書いて、専門的な検査・治療ができる医療機関へ紹介してくれます。自分達で探すよりも早く、適切な医療機関へ受診することができるでしょう。
③介護保険の主治医意見書を記載してくれる
かかりつけ医がいない高齢者で困るのが、介護保険の主治医意見書を記載できる医師がいないというケース。介護保険を申請する際に主治医意見書は必ず必要です。その他介護サービスを利用する際に主治医からの指示書が必要になることもあり、かかりつけ医がいれば安心です。
かかりつけ医は複数でも良い?
結論から言うと、かかりつけ医は複数でも問題ありません。例えば内科・眼科、それぞれの診療科ごとに、かかりつけ医を持つことができます。
病院によって診れる病気も変わってくるため、医師と相談するようにしましょう。
どうやってかかりつけ医を決める?
かかりつけ医は自分で好きな病院を決めることができます。とは言っても、たくさんある病院の中から探すのは大変ですよね。自分に合ったかかりつけ医を見つけるためのポイントを解説します。
・自宅や職場から通院しやすい
定期的に通院することを考えると、通院のしやすさは重要です。交通の便や、自宅・職場からすぐに通えるところが良いでしょう。場所が遠いと通院するのが億劫になり、受診を中断してしまうという方も少なくありません。
駅から近いところや、車を利用する方は駐車場があるかなど確認しておくといいでしょう。
・訪問診療を行っている病院
通院できなくなった時のことを考えて、訪問診療を行っているところに受診するのも一つです。高齢になり体力が落ちてくると、通院が大変になる方が多いです。そうすると訪問診療へ切り替えることが多いですが、また一からの関係性になってしまいます。
訪問診療を行っている病院をかかりつけ医にしておけば、慣れたスタッフの方と相談ができたり、ご自宅でのお看取りなど柔軟に対応してくれるでしょう。
・一通り検査が実施できる
病院によって、最新の医療機器が置いてあったり、検査できる内容が異なります。もちろん必要な検査があれば、大きな病院へ紹介してもらえますが、可能であれば一通り検査ができる病院の方が良いでしょう。
・相談しやすい雰囲気
「医師と話すのに緊張する」「気になることが聞けない」という患者さんも多いです。患者さんの生活を理解してくれ、疑問や不安にきちんと答えてくれる医師だと信頼できるでしょう。病状の変化があったら相談できる関係性が理想です。ただそこは受診してみないとわからないのが難点。相談しづらいと感じるようであれば、かかりつけ医を変更することも検討しても良いかもしれません。
信頼できる関係性を築くためには?
かかりつけ医との関係性を築くためには、受診する側も心がける点があります。
・体の変化を相談する
自分の体に変化があったらすぐに相談しましょう。自分にとっては小さな変化かもしれませんが、もしかしたら大きな病気につながるかもしれません。
「こんなことでも伝えていいのかな」と迷われる方も多いですが、本人にしかわからない症状もあります。気軽に相談しましょう。
・率直に確認する
医師から説明された時、「今なんて言ったんだろう」「よく理解できない」と感じることがあるかもしれません。わからないままにしておくと、治療方針に相違が生まれ、後々大きな問題に繋がりかねません。わからないことは質問し、医師へ確認しましょう。
・確認したいことをメモしておく
医師へ確認したいと思っていたのに、聞くのを忘れて帰ってきてしまったという経験はありませんか?たくさん質問があったのに、いざ受診すると忘れてしまう方は結構多いです。
前回の受診と比べて変化はないか、何か気になる症状がないかなど、医師へ確認したいことをメモしておきましょう。
かかりつけ医は国の方針で決められていますが、患者さんのメリットも大きいです。
体調を崩しやすい高齢者にとって、かかりつけ医の存在はなくてはならないものです。病院選びのポイントを参考に、ご自身にあったかかりつけ医を見つけてください。