【高齢者】インフルエンザの重症化を防ぐには予防接種が有効
毎年多くの人が感染するインフルエンザですが、高齢者は重症化リスクが高く、特に注意が必要とされています。そんなインフルエンザの重症化から高齢者を守るのに有効な手段が、予防接種(ワクチン接種)です。
今回は、高齢者がインフルエンザで重症化しやすい理由を解説したのち、予防接種の重要性について解説していきます。
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どうして高齢者はインフルエンザで重症化しやすいの?
厚生労働省の報告によると、季節性インフルエンザの感染者数は毎年約1000万人にのぼり、そのうち60歳未満の重症化率は0.03%、60歳以上では0.79%とされています。
データから見ても分かる通り、高齢になればなるほど重症化リスクは高まる傾向にあります。
では、どうして高齢者はインフルエンザに感染すると重症化することが多いのでしょうか?
高齢者のインフルエンザの特徴
通常、インフルエンザを発症すると急な発熱(38〜40℃)と全身症状(頭痛、腰痛、筋肉痛、全身倦怠感など)、喉の痛み、鼻水、鼻づまり、せき、たんなどの症状を伴うことがほとんどです。
ですが、高齢者では発熱が見られないこともあり、発見が遅れて症状が悪化することもあります。
しかも、高齢者は健康的な人に比べると体力の衰えや、免疫力の低下などがあり、急激に症状が深刻化して重症に至るケースも多いです。
高齢になると合併症や死亡率が増加
そして、重症化すると合併症につながる危険性が高まります。
特に高齢者で最もよく見られる合併症は肺炎で、インフルエンザを発症してから下記のような症状が見られたら、肺炎や気管支炎などの合併症を引き起こしている可能性が高いので注意が必要です。
- 熱が下がらない
- 一旦下がった熱がぶり返した
- 息苦しさを感じる
- 食欲や水分摂取量の低下、尿量の低下など
こうした合併症を長く患うことで、高齢者では死亡率も上昇します。特に上記のようなウイルス性肺炎を発症すると、免疫力が弱まってさらに別の肺炎(細菌性肺炎など)を併発することもあります。
また、仮に治療によって症状が改善したとしても、長期間にわたる激しい症状によって健康状態が悪化し、寝たきりのきっかけになるケースも珍しくありません。
インフルエンザの重症化予防には予防接種が有効
高齢者におけるインフルエンザの重症化を防ぐには、何よりインフルエンザに罹らないようにすること、かかっても重症化しないことが大切です。
そこで、有効な手段となるのが予防接種(ワクチン接種)です。
予防接種をすることで、万が一感染してしまっても発熱などの症状を抑えたり、重症化を予防したりといった効果が期待できます。
特に、国内の研究では65歳以上の高齢者がワクチンを接種すると、接種しなかった場合に比べて重症化による死亡を防ぐ効果が約80%にもなると判明しています。
予防接種をすれば確実にインフルエンザに罹らなくなるわけではありませんが、重症化・死亡を予防できるという意味では意義は大きいと言えるでしょう。
予防接種を受けるタイミングは?
インフルエンザの予防接種は、インフルエンザが流行する2〜3週間程度前に打つのが良いとされています。
その理由は、ワクチンを接種してから体内で免疫が形成されるまでに、少なくとも2〜3週間程度はかかると言われているためです。
だからといって、流行する何ヶ月も前に打っても、予防接種の効果は3〜5カ月ほどで薄れてしまうためそれも効果的ではありません。
そのため、インフルエンザワクチンは適切な時期に打つのが良いと言えるでしょう。
なお、毎年各自治体では、インフルエンザ流行を見据えて事前に予防接種の呼びかけを行っています。
下記のようなワクチン接種に関するさまざまな情報を得ることができるので、ぜひ活用すると良いでしょう。
- 対象者
- 実施期間
- 接種費用
- 接種回数
- 予防接種ができる医療機関(クリニックや病院など)の一覧
- 接種に必要なもの
- 接種費用の免除について
- 各種お問わせ など
予防接種による副作用は?
インフルエンザの予防接種をすると、接種部分の赤みや腫れ、痛みなどの副反応が出ることがあります。ただし、多くの場合は2〜3日で自然に治る場合がほとんどです。
しかし、まれに非常に重い副反応が出るという報告もあるので、体調に強い異変を生じた場合は、すぐに予防接種を受けた医療機関に連絡し、対応してもらうようにしましょう。
予防接種と合わせておすすめできるインフルエンザ予防策
ここまで、高齢者がインフルエンザにかかると重症化しやすくなる理由と、重症化を予防できるワクチンの重要性について解説しました。
重症化を引き起こす合併症にならないためにも、インフルエンザワクチンの接種は有効な手段です。
そして、次に紹介する予防策を行うことで、さらに重症化予防や感染予防につなげることができます。
- 手洗い・うがい・手指消毒
- マスク着用
- こまめな換気
- 適度な加湿
- 規則正しい生活
手洗い・うがい・消毒
インフルエンザは、主に感染している人がせきやくしゃみをした際に発生する飛沫(鼻水や唾液など)を吸い込むことで発症しますが、手に付着したウイルスが鼻や口の粘膜から侵入することでも発症します。
ですので、外出先から帰宅したらまず手を洗い、手に付いているかもしれないウイルスを石けんで洗い流しましょう。あわせて、喉に付着したウイルスもうがいで洗い流すことが大切です。
また、外出をしなくても、高齢者のいらっしゃるご家庭では、流行期に日常生活の中で触れる機会の多い家具や建具は、消毒用アルコールでこまめに拭いて、消毒を行えるとベストです。
マスク着用
説明したように、インフルエンザの主な感染ルートは、感染している人の飛沫を吸い込むことで感染する「飛沫(ひまつ)感染」です。
ですので、流行期の人混みの中への外出時はもちろん、流行期以外も病院や介護施設内ではマスクを着用し、できる限り飛沫を吸い込まないようにしましょう。
また、マスクをすることで、万が一自分が感染していた場合に、基礎疾患をお持ちの重症化リスクの高い方や施設内の他の高齢者へうつすリスクを減らすこともできます。
他の人へ移さないことも立派な感染予防になるので、流行シーズンになったら人混みの中ではマスクを着用することが、多くの人の感染を予防することにも繋がります。
こまめな換気と加湿
インフルエンザウイルスが流行する時期は気温も低いため、閉め切った室内で長時間過ごすことが増えがちです。
ですが、部屋を長時間閉め切ったままでいると、室内にいるインフルエンザウイルスの量が増えることにつながります。
また、冬になると空気が乾燥して、インフルエンザの活動が活発化しやすくなります。
これを防ぐには、こまめに換気を行い、新鮮な空気と入れ替えることが大切です。具体的には、2〜3時間に1度は室内の空気の入れ替えをしましょう。
同様に、 加湿器をうまく活用して室内の湿度が下がり過ぎないようにするのも大切です。
規則正しい生活
人間には、ウイルス感染から体を守る「免疫」と呼ばれる機能がありますが、日々の疲れやストレス、睡眠不足、栄養不足などが蓄積すると免疫力が下がり、感染症などにかかりやすくなると言われています。
したがって、免疫力を下げないことも、大事な感染予防のひとつです。
日頃から規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠と休息をとりましょう。また、栄養バランスの取れた食事を摂ることに加え、適度な運動でストレスを発散するのも有効です。
免疫力をアップさせ、心身ともにインフルエンザに負けない体づくりに取り組みましょう。
まとめ
今回は、高齢者がインフルエンザで重症化しやすい理由と、予防接種の重要性について解説しました。
免疫力の弱い高齢者にとって、インフルエンザは命を脅かす危険な感染症です。ですが、予防接種や感染対策によって重症化を防ぎ、健康を維持することは十分可能です。
流行が始まる前に、正しい知識を得てインフルエンザに負けないよう対策を心がけていきましょう。
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